こんにちは!紀南最大の大工集団MUKUの松川です。先日、見学会をさせていただいたお家の竣工写真が届きました!こちらのお家は最近では見る機会が少なくなった和の雰囲気を残した、上品な平屋になります。そんな和のお家、木を使わせたら右に出るものは居ない紀南最大の大工集団の技術と協力業者の手仕事でしか表現できない納まりの数々。。。もちろん竣工写真は施工事例にアップしますが、ピンポイントでのこだわりは細か過ぎるので(苦笑)、今回のブログでは施工事例にアップされないこだわりをご紹介します!
まずはお家の顔と言える玄関、ここはお施主さまの要望で通り土間にしてLDKまでつながる設計にしました。仕上げは『大磯の洗い出し』、大磯とはモルタルの中に入れる骨材の種類で青やグレーの骨材で、洗い出しとは固まる前のモルタルを拭き取って中に入っている骨材を見せて仕上げる方法です。つまり、中に入れる骨材の種類や大きさで見せ方を変えれる、手仕事ならではの品が漂う風合いがつくれます!この通り土間の先にはお座敷の畳スペース、高さがあるので沓脱石(くつぬぎいし)を据えてステップにしました。この沓脱石は那智の自然石、加工された形が綺麗な石もありますが。。。この雰囲気に合わせて自然石にこだわりました。ちなみにこの子、実は40センチが埋まっています(結構大きいんです)。そしてこの石を上から見たときに大工の技術が垣間見れます。。。
凄くないですか?自然石なので石の形状は波を打っていて、それに合わせて框(木)を加工しました。はさみで切ったような曲線での加工、施した大工に「どうやって加工した?」って聞くと「企業秘密」と言われました笑笑。紀南最大の大工集団に、木で加工出来ないものは無いと改めて実感しました。
こちらは家具屋による造作家具での収納です。家具屋と言うと家具を買えるお店をイメージしますが、僕たちの中では家具を作る職人を家具屋と呼んでいます。オープンの固定棚はシナのランバーの木口に米ツガの無垢材を張り付けました。無垢材で棚板を付けるよりもランバーを使うことでコストを抑え、木口に無垢板をあしらう事で見た目が綺麗になります。扉付の収納は取っ手を設けず扉上に指のひっかかりを加工してシンプルに仕上げることで木肌が強調され、より美しく見えて造作ならではの統一感があります。
木が持つ見た目の温かさや香り、手仕事でしか表現できない仕上げのあるお家は見た目が美しく、なにより愛着ある住まいになります。今回もこのような家づくりに携われたことが嬉しく思います。お家の竣工、本当におめでとうございます。