鉋(かんな)講習会

2022年06月20日
松川 晃弘

こんにちは!紀南最大の大工集団MUKUの松川です。僕が専門学校を卒業してずっと工務店に勤めているからかもしれませんが、、、建築業界は様々なノウハウを教えてくれる講習会であふれています(苦笑)

現場管理の仕方やSNSを使った発信の仕方、パースの書き方に営業方法などなど、実務的な要素から経営に関わるところまで教えてくれます。そんな中、中村工務店が開催した講習会は『鉋(かんな)講習会』でした。

宮大工による鉋講習会

奈良県から天理教の建築物に関わる宮大工の中で、鉋仕上げを任されている方を招いて講習会を開催しました。この方との出会いは県外での現場で一緒になる機会があり、その時のご縁で実現した講習会は中村工務店の大工だけではなく、地域の大工にも声をかけて参加しました。

紀南地域の大工が集まった鉋講習会

教わったことは、「幅が広い木を削れて一人前」という事でした。理由は、幅が広い木になると木の端から端を仕上げる際に数回に分けて鉋掛けをすることになります。

その際に1回目と2回目や、2回目と3回目で重なる部分に生まれる凹凸を均一に仕上げてこそ一人前となります。講習会では2日間に渡って、幅広の木の削り方を学びました。

幅が広い木を鉋で仕上げる

座学は鉋を掛ける順番だけ聞いて、あとはすべて実技です。刃を研いで、調整して、削っては調整して、削って、研いでを繰り返す講習会でした。講師の方から指導を頂きながら、大工同士で意見交換をしながら、マイクロスコープで実際に削った木や、刃の断面を見ながらミクロ単位で調整して、ひたすら鍛錬を積んだ2日間でした。

指導いただいた内容は勉強になりましたが、僕はこの風景が本当に良いなって思いました。

鉋の刃を研ぐ大工

現状に満足しない作り手が居ること、それは建築に終わりはなく、とことん突き詰め続ける大工を見ながら、木が好きで、手仕事が好きで、大工という仕事に誇りを持っているこの人たちを尊敬します。

建築を突き詰める大工

講習会後のお話ですが。。。大工の中から有志を募って、『削ろう会』(タップで飛びます)という極限まで薄い鉋屑を出して競う大会に参加する予定です。(ちなみに大工から参加しよう!っていう話になりました笑)まずはこの大会に向け鍛錬を重ねるのと、オフ会をMUKUの代表が密かに開催を考えています!!

会社や団体関係なく情報交換を目的とした鉋のオフ会は、職人だけではなく興味がある方も大歓迎とのことでした。今回頂いたご縁を、小さくても次へ繋げ続けることが、自分たちの使命である技術の継承になる事だと信じて取り組んでいきます。