CASE STUDY
深い軒と坪庭のある家
切妻屋根の外観は軒を深く作る事でかっこいい佇まいの印象を作ってくれますが、軒は自重や風圧を受けるので、延ばせる長さに限度があります。
その中で軒を深さを見せる為、屋根の勾配を緩く設定することで水平のラインを強調させ、屋根自体の厚みを薄く(具体的には破風と鼻隠しの高さが小さくなるように)作ることで、たとえ距離が同じ軒だったとしても、深く見える様に演出してくれます。
外観は銀黒の外壁に赤身の入った茶色をアクセントに、和の要素を強く取り入れましたが、屋根周りを繊細に納めることで重厚感を抑え、上品にかつ綺麗にまとまった外観デザインとしました。
木の雰囲気が好きなお施主さま、和のテイストが落ち着くというお話も頂き、木を感じられる内装をご提案させて頂きました。
ただ和のカッコよすぎる雰囲気というよりも、ちょっとナチュラルやカントリーちっくで可愛いく、でも可愛すぎない、仕上がりとなるように考えました。
木をいっぱい使いすぎるとどうしても空間が重たくなってしまうので...限られた木の割合で、最大限に木を感じて貰えるよう、自然と目線が行くところに木を使っています。
例えば勾配天井、他よりも高い天井のところは目を引きやすいので、そこに木を持ってきてあげると印象に残りやすくなって、限られた木部でも、木の雰囲気をより一層感じて貰えます。
玄関からLDKに入る建具は既製品ではなく、造作建具を使用しています。
ここは家族みんなが使って、一番目につくところ、そこを造作にこだわる理由は、、、「長く使って欲しいから」です。
例えば既製品の場合だと、傷が付いたりすると修理が難しく最悪の場合は交換となりますが、造作だと木で出来ているのでペーパーをかけて何度でも修復が可能です。
壊れたからと言って新しいものに取り替えるのではなく、手を加えて、同じものを長く使う、それが家族みんなが使うものだと尚更で、愛着のあるものを一つよりも二つ、二つよりも三つと残る家づくりをしたいから、MUKUでは造作にこだわります。
今回は"手作り感"のある扉をご要望頂いて、ナチュラルやカントリーまで可愛すぎない、でも手作り感のある可愛いデザインを考えました。
桟の高さや太さを検証、それぞれ框の寸法も抑え、線が綺麗な建具になったと思います。
こういうお施主さまのご要望に応えてて作れるオリジナル性も、造作建具の魅力ですね。
浴室から坪庭をのぞめるようにとご要望を頂きました。
が、ユニットバスって防水の関係で窓の取り付け方に厳しい規制があって、その規制を守りながら坪庭を楽しんで貰えるように坪庭の作り方を考えました。
外観が映えるシンボルツリーや庭に植える植栽は比較的遠くから見ることが多いのに比べて坪庭(特に浴室から見える場合)は、近くで見ることが多く、ここに大きな違いがあって、植栽の選定には木の形や枝、葉の付き方に加えて『幹の形』を重要視しました。
植栽が近くなるとよく見えるのが幹となるので、その形も坪庭をつくる為に重要な要素となってきます。