瓦葺きなのに軒先がすごくすっきりと見える、宝角建築アトリエさんならではの納まりで、むくり屋根とは屋根がお辞儀をしているように見せることで優しい印象のシルエットとなり、いぶしならではの重厚感はありながらも嫌な圧を感じない。。。
親しみやすい中に品をまとった外観は塗り壁で仕上げ、木製格子と洗い出しのポーチが彩ります。
ちなみに、むくり屋根とする為に垂木をアールに削りだす作業は全て大工さんの手加工で行いました。

うちの工場の床に垂木の原寸図を引いて、型を取って、削りだす、今となっては見えないところですが、この手仕事があって綺麗なむくり屋根となりました。

アルミや樹脂、既製品の木製サッシではここまで作りこめない、一から作る造作だから出来たこの繋がり。

職人さんたちと打合せして、細かい調整を重ね、丁寧に加工した材料を現場で納めた木製サッシなので建物との一体感はもちろん、この木製サッシから見える景色もこの家の一部みたいに思えて。。。
繋がりを感じる特別の建具となりました。

家の中で結局一番好きな場所、それは深い軒の下にある濡れ縁です。
庇の軒裏は杉の化粧野地と垂木で納めて、木製サッシとデッキは桧、木の良さが引き立つよう素直にオイル塗装で仕上げたこの場所は時間の流れがゆっくりとなります。
休みの日や時間がちょっと空いた時はここへ来て、過ごせる時間は新築だから出来たことで、こういう事を叶えられるのが家づくりの魅力だと思います。