CASE STUDY
程よい"和"を感じる家

前面道路に対して間口の広い敷地だったので、素直に、建物のファサードは広く取り、土地に対する建物のバランスを調整しました。
またお施主様のご要望で寝室・ファミリークロークを1階に設けた『1階完結型』の間取りとなっていて、1階に比べ2階のボリュームが極端に小さくなると外観のバランスが崩れやすいところを、このボリュームのメリハリが逆にデザインとして見えるように、シンプルな形でも自然と目を引くような外観となるようにまとめています。
まとめたのはデザインだけではなく、坪数も見た目以上にコンパクトになっています。
通り抜け出来るシューズクロークに、幅広の洗面カウンター+ランドリースペース。
3帖のファミリークロークや2帖のパントリーを設けた1階完結型の3LDKのお家を29.05坪でまとめさせて貰いました。

お施主さまの好みや雰囲気からご提案させて頂いた内装は、程よい"和"でした。
木を仕上げに使いすぎると和風過ぎて重たい雰囲気に、かと言って見付け(木の厚み)や線を細くし過ぎると、かえってかっこいい、シュッとした雰囲気になるので。。。
1mm単位でバランスが取れる見付けに加工した額縁や建具の枠を納め、程よい"和"を感じる、穏やかで上品な空間を目指しました。
そして今回採用した床材は幅が16㎝もあるオークの突板、一般的には「乱貼り」といって、継ぎ目がバラバラになるように貼る事が多いですが、このお家では継ぎ目が等間隔に揃う『定尺貼り』にしています。
このオークの木肌が綺麗だったのと、仕上がりに"品"を演出したかったので定尺貼りを採用しました。

リビング引き戸とダイニング横の内障子は造作で納めさせて頂いて、こちらの格子のデザインを何となく似せて作ることで空間に統一感が生まれ、造作建具の存在感がより際立ちます。
食卓のペンダントライトはシェードに障子のような素材を用いたものを採用し、障子とのつながりを作っています。
畳や板張りをしなくても素材の選び方や使い方で"和"の雰囲気を作ることで程よい和の空間になります。

このお家で個人的に一番好きなビュー、リビング戸越しに見えるLDK。
ソファや机の背中が見え、奥に障子がちらっと見える。
この感じが好きで、帰って来たときに必ず見る景色にこだわりました。
この景色が何年経っても好きと思って貰えるように作りました。
こんな風な作り手のこだわりが至る所に散りばめられたお家が出来ました!